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看護師の職業について

・どんな職業か

看護師は「診療の補助」と「療養上の世話」を通じて、病気やけがの治療を受ける人々や介護を必要とする人々、体や心の健康上の様々な問題を抱えながら生活する人々を支える。 病院・診療所などの医療施設では、患者への医療の提供に、医師・薬剤師・栄養士・臨床検査技師・理学療法士・作業療法士・医療ソーシャルワーカーなどの専門職種とともに医療チームの一員として参加する。現代医療には、救命救急医療・高度先進医療・リハビリテーション・生活習慣病の管理・精神医療・終末期医療など多様な側面があり、看護師は、医師が診断や治療を効果的に進められるよう、診察や検査、処置を補助する(診療の補助)。採血や注射、点滴の一部は医師の指示を受けて看護師が行うこともある。常に変化する患者の状態(体温や脈拍、呼吸、血圧、痛みや苦痛の程度、意識状態など)を把握し、医師の判断を助ける。介護保険施設・社会福祉施設では、医療施設と比べて医師の関与が少ないため、看護師は日常的な医療管理や緊急時の判断を求められることが多い。訪問看護ステーションの看護師は患者宅を訪問してケアを行うほか、家族への支援も行う。学校や企業の健康管理部門では健康管理や心身の保健相談に応じている。 どのような領域にあっても、ひとの「食べる」「休息する」「排泄する」「清潔を保つ」などの営みが安全に苦痛なく、その人らしい尊厳を保ちながら快適にできるよう、環境を整え手助けすること(療養上の世話)は、患者やその家族への心理的なサポートとともに、看護師の仕事の中でも重要な位置を占めている。またケアの受け手との間での確かなコミュニケーションを図る能力も求められている。 特定の領域について高度な知識と実践力をもつ「専門看護師」「認定看護師」資格の認定制度がある。

・看護師に就くには

高校卒業後、大学・短大・専門学校で3年あるいは4年の専門教育を修めたのち、国家試験に合格することが必要である。 養成機関の入試倍率は年度や学校によってばらつきがあるが、大学で4~7倍程度、専門学校では2~4倍程度である。学校では、基礎・専門科目の講義の他に、療養上の世話や診療補助業務の実践能力を身につけるための技術教育が行われるが、あわせて医療施設だけでなく介護・福祉施設や訪問看護ステーションなどでの実習を経験する。 科学的な根拠に基づいて患者の状態を正確に観察・判断し、的確に対処できる理性と学識、人間の生命に直結した仕事ゆえの責任感や忍耐力が求められる。患者の心を支えるためにも、他者を理解し、受け入れる姿勢とコミュニケーション能力が重要であり、心身の健康も重要な要素となる。 学費は学校の種類(大学・短大か専門学校か)や設置主体(国・公立か私立か、医療機関・医療関係団体などの付属かどうか、など)によってかなり幅がある。各種の奨学金制度も利用できる。 看護師の免許を得た人は、さらに1年以上の専門教育を修めた上で保健師・助産師それぞれの国家試験受験資格を得ることができる(平成22年4月施行。在学者には移行措置あり)。従来は、大学では4年間で看護師課程と並行して保健師課程を学び、看護師国家試験とともに保健師国家試験の受験資格を得ることもできた。助産師課程は選択制としている大学が多い。しかしながら、保健師・助産師教育期間が1年以上となることから、これらの課程は看護師課程と切り離し、大学院等での教育への切り替えが検討され始めている。 准看護師は准看護師学校や看護高等学校卒業し、都道府県の試験に合格すると准看護師の免許が交付される。現在、准看護師の数は減少してきている。

・労働条件の特徴

医療や介護の現場では1日24時間、1年365日を通じてのケアの提供が求められており、これに応えるための勤務形態がとられている。交替制の勤務は、1日24時間を2ないし3のシフトからなるローテーション勤務でカバーする。たとえば病院の入院部門で3交替制で勤務する1人の看護師の1週間は、1回8時間労働の昼間の勤務(日勤)を3回と、夕方から真夜中にかけての8時間労働の夜勤(準夜勤)を1回、真夜中から朝までの8時間労働の夜勤(深夜勤)を1回の、計5回の勤務からなる。土曜・日曜・祝祭日も交替で出勤するため、これらの日が必ずしも休日にならないこともある。夜間の対応体制は働く場の特徴に応じて様々であり、看護師の勤務も、夜間は緊急時の呼び出しに応じる待機体制をとるもの、利用者からの電話対応のみのもの、夜間対応を要しないものなどがある。 看護師就業者数は約88万人(平成20年末・准看護師を除く)、男性の比率は5%程度であるとされる。夜勤がある職場では夜勤回数に応じて夜勤手当が付加されるため、特に若い時期には同年代の女性労働者と比較して給与水準は高い傾向がある。 看護師は資格職種であり、個々のライフステージに応じて働き方や働く場を選びながら働き続けられるよう、働き続けられる職場づくりの促進が進められている。

・参考情報

関連団体 厚生労働省医政局看護課 http://www.mhlw.go.jp

社団法人 日本看護協会 http://www.nurse.or.jp

関連資格 看護師 准看護師 介護支援専門員(ケアマネジャー) 養護教諭

保育士の職業について

・どんな職業か

仕事を持っているなどの理由から、保護者がすべての時間、子どもの面倒を見ることができない場合に、保護者に代わって、小学校に上がる前の子どもたちの保育をする。 幼稚園の教師は、子どもの「幼児教育」をするのが主な仕事であるが、保育士は、乳児から小学校入学前の子どもを預り、保護と世話をする仕事が中心である。 保育士は、子どもが保育所にいる間、昼食やおやつを食べさせながら食事のしつけをしたり、着がえを身につけさせたり、昼寝をさせたり遊ばせたりする。また、子どもたちの年齢に合わせた、音楽・リズム・絵画・工作・自然観察などの幼児教育も行う。 保育所にはゼロ歳から6歳までの子どもがいるので、担当する子どもの年齢によって、仕事の内容や対応の仕方が異なる。乳児を保育する場合には、授乳やおむつの取りかえなども行う。 常に子どもをよく観察して、具合が悪くなったり、事故にあったりした場合は、保護者や病院に連絡をとるなど、すぐに適切な処置を行う。また、帰りには、それぞれの子どもについて異常の有無を確認し、持ち物の整理を手伝い、迎えに来た保護者に必要な連絡を行う。 また、行事などの計画を立てたり、保育日誌を記録するなど、事務的な仕事もある。

・保育士に就くには

保育士として働くには、保育士資格を取ることが必要である。資格を取得するには、養成課程のある学校や施設を卒業する、あるいは保育士試験に合格するという、2つの方法がある。 養成課程の多くは、大学や短大、または専門学校の中に2年以上の課程として置かれている。最近では、保育士として採用される人のほとんどが養成課程のある学校の卒業者である。 保育士試験は各都道府県で年1回以上実施されており、短大・高等専門学校卒業者(大学に2年以上いて教養課程を修了した者を含む)や、児童福祉施設において5年以上(高校卒業者は2年以上)児童の保護に従事した者が受験できる。 なお、保育士資格を持っている人は、児童館などの児童厚生員、児童自立支援施設の児童生活支援員にも就くことができる。 保育士は多くの子どもと接するので、健康と体力が必要である。 子ども好きで、一人ひとりの子どもに理解と愛情を持ち、責任感があることが求められる。子どもの健康状態などに異常があればいち早く対応できるよう、簡単な応急処置などの知識とスキルも必要である。

・労働条件の特徴

保育士の9割以上が保育所で働いている。ほかには、児童養護施設、知的障害児施設、乳児院、重症心身障害児施設などが職場になる。病院で長期入院の子どものための保育に当たったり、各種の施設や事業所が利用者や顧客のために行う臨時託児業務を担当するなど、保育士の資格や経験が役立つ職場も広がってきている。また、就労と子育ての両立支援を目指す方向で保育所の役割が見直されており、長時間保育や夜間保育、休日保育など、様々な形の保育が行われるようになっている。 賃金は、公営の施設で働く場合は、公務員の給与基準に従って定められている。 労働時間や勤務形態は施設によって異なり、児童養護施設など24時間入所施設では、2交替制や3交替制、あるいは宿直勤務を行う場合もある。保育所では早朝や夕方に保育時間を延長しているため、交替で時差勤務をしている場合が多い。休憩は、子ども達が昼寝をしているときなどに交替でとることが多い。 少子化は進んでいるが共働き世帯の増加や、利用者の多様な保育ニーズに対応する動きもあり、国としても保育施策の充実を掲げていることから、引き続き人材需要が見込まれる。

・参考情報

関連団体 全国保育士会 http://www.z-hoikushikai.com

厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課 http://www.mhlw.go.jp

関連資格 保育士

ケアマネジャー(介護支援専門員)の職業について

・どんな職業か

ケアマネジャーは介護保険制度とともにスタートした職業で、正式には「介護支援専門員」という。ケアマネジャーの仕事は、介護を必要とする人に対して個々のニーズに応じた介護サービスを提供するために、アセスメント(課題分析)やケアマネジメントを行い、どのような介護サービスが必要であるかを判断して、ケアプラン(介護サービス計画書)を作成する。市町村から「要介護認定調査」を委託された場合には調査を行い、その結果を報告する。 介護保険の利用者が在宅の場合には、利用者に面接して食事、入浴、排泄など日常生活の状況を把握し、在宅で暮らすための利用者自身の目標を立てる。サービスの種類や使用頻度を選択したり組み合わせたりして、ケアプランを作成する。このプランに基づいて、ホームヘルプやデイサービスなどのサービス事業者にサービスの実施を依頼する。サービス開始後、定期的に家庭訪問して利用者の状況を把握し(モニタリング)、サービスが思うように成果を上げていない時や利用者の状態が変化した時はプランの修正を行う。そして、プランに基づくサービスの実績を保険者に報告する。また、要介護認定更新時にケアプランを変更する場合は、「サービス担当者会議」を開催し、ケアプランの内容(利用サービス内容や利用頻度)を協議する。 利用者が、特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設などに入所している場合は、ケアプランの内容がやや異なる。ケアプランを作成する点では同様であるが、利用するサービス事業者を選択するのではなく、入所施設内のサービスをいかに利用するか、という観点でプランを作成する。

・ケアマネジャー(介護支援専門員)に就くには

介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、実務研修を受けると都道府県に「介護支援専門員」として登録される。受講試験を受けるには、福祉・保健・医療関係の資格を持ち、実務経験が5年以上あること、あるいは介護の実務経験が10年以上あることなど、一定の資格や実務経験が必要である。資格登録後は、介護保険事業所として指定を受けた居宅介護支援事業所あるいは介護保険施設に就職し業務を行う。 ケアマネジャーになるのは看護師、介護福祉士、社会福祉施設指導員やホームヘルパーなど相談援助や介護の仕事を経験してきた人が多い。 福祉や医療に関する幅広い知識、介護保険をはじめとする福祉・医療関連の様々な制度や施策への理解が必要である。また、介護者を側面的にサポートする対人援助の専門家として、介護を必要とする高齢者や家族などケアサービスを受ける立場に立って考える姿勢はもとより、サービス利用者のプライバシーへの配慮、守秘義務や高いレベルの倫理観などが求められる。 ケアマネジャーの資格は更新制となっており、5年ごとに更新に必要な研修を受け、申請手続きを行う必要がある。 平成18年度より、ケアマネジャーの上級職として主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)制度が導入されている。主任ケアマネジャーはケアマネジャーを統括し、指導・育成を行うほか、経験が必要なケースを担当する。主任ケアマネジャーになるには、ケアマネジャーとして5年以上の経験があり、主任介護支援専門員研修を受講する必要がある。

・労働条件の特徴

勤務時間は、他の福祉・医療・保健の職種と異なって夜勤・宿直を担当することはあまりなく、平日の日勤が基本であるが、シフト制を導入している事業所もある。利用者や家族の予定に合わせて相談や訪問等を行う場合があるので、必要に応じて夜間や休日の勤務が生じることもある。また、利用者のサービスを調整する立場として、勤務時間以外にも対応ができる態勢にしているところが多い。 賃金面ではケアマネジャーとしての経験年数と、持っている他の資格が評価される。 居宅介護支援事業所(ケアプラン作成機関)には、社会福祉法人、医療法人だけでなく、営利法人、財団法人、農協、生協、開業医、薬局など様々な経営体がある。資格取得者は増加しており、今後は上位職の主任ケアマネジャーの需要が見込まれる。

・参考情報

関連団体 厚生労働省老健局介護保険課 http://www.mhlw.go.jp

関連資格 介護支援専門員(ケアマネジャー)

グラフィックデザイナーの職業について

・どんな職業か

日常生活で目にする広告、出版物、商品パッケージ、シンボルマーク、社名や商品のロゴタイプ、Webサイトなどのデザインやイメージを、魅力的な色や形、構図などから考え、視覚的な表現手法を用いて創作する。主に平面のヴィジュアルデザインを行ない、印刷物等を制作することが多い。展示会や映画、テレビの分野でデザインを行うこともある。 仕事は単独で行うこともあるが、広告や宣伝の仕事では、イラスト、写真、文案(コピー)などを制作するスタッフとチームを組んで共同で行う。その場合は、スタッフの意向やアイディアを創造的にまとめあげるアートディレクターの役割を果たすこともある。 まず、依頼主の目的、商品内容、予算、媒体、納品期日などを確認する。その内容に基づいて構想を練り、依頼主の意図に沿ったデザインを自分の感性で作り上げ、必要なスタッフ、制作費、スケジュールなどの計画を立てる。 共同作業するスタッフに表現内容を伝え、アイディアをまとめあげてラフ(表現案)を制作し、上司、コピーライターと修正を行う。修正を加えたラフを依頼主にプレゼンテーションし、了解を得る。 実際の制作では、カメラマンやイラストレーターと詳細な打ち合わせを行って素材を完成させ、コピー原稿とあわせてレイアウト(割りつけ)を行う。印刷物の場合は、書体や色使い等を指示して、印刷会社に発注する。校正で修正を加え、最終確認して納入する。

・グラフィックデザイナーに就くには

入職にあたって特に資格は必要とされないが、美術系の大学や専門学校などで、基本的なヴィジュアル表現技術や色彩理論、レイアウトなどを学び、ある程度の作品を作れることが必要である。 学校卒業後、広告代理店や一般企業、印刷会社・出版会社、デザインプロダクションなどに就職するのが一般的だが、既にフリーで活動しているグラフィックデザイナーの助手になる場合も多い。 はじめはコンピュータを活用して画面上でレイアウト・デザインするなどの簡単な作業が割り当てられ、次第に重要な仕事を任されるようになる。助手からアシスタントデザイナーの経験を積み、平均して2~5年で一人前となる。その後、フリーとして独立したり、仲間とプロダクションやスタジオを設立する場合もある。 作品を生み出すための豊かな創造力と造形力、自由な発想ができる柔軟性が重要であるが、求められるイメージを伝達するためには技術の裏付けが必要となる。また、共同で作業を行う場合には、協調性も求められ、期限を守ったり、他人の意見に耳を傾けることも重要となる。 グラフィックデザインの技術や手法はめまぐるしく進歩し、変化しているため、他人の作品を見たり、紙や印刷等に関する知識を深め、新しい技術や手法を研究して、自分のものとしていく努力も必要となる。また、表現された作品のコミュニケーション効果やマーケティングに関心を持つことも求められる。

・労働条件の特徴

グラフィックデザインの需要が多い大都市で働いていることが多く、大きく分けてフリーで働く場合、広告代理店や一般企業の広告や宣伝セクションなどに勤務している場合、デザインプロダクションなどに勤務している場合がある。 就業者は男性が多いが、女性が活躍している場合もあり、今後は増えると予想される。 企業に勤務している場合は、給与や労働時間は会社の規定に従うが、時間内で一定量の作業をすればよいという仕事ではないので、個人の才能や仕事の速さ、仕事量などにより異なる。また、依頼者と密接に打ち合わせをする必要があるために時間は不規則になりがちで、残業や休日出勤があったり、フリーで働いている場合には、仕事量との兼ね合いで思うように休みがとれないこともある。 最近では、紙、筆、三角定規を使って手作業で行う仕事は減り、パソコンを使用して制作する仕事が増えている。今後、デザインのデジタル化が進み、広範囲にわたってグラフィックデザイナーの役割はますます重視されるようになると予想される。デザイン・DTP(デザイン・組版・印刷を一貫して行なうシステム)系のソフトウェア(例:Photoshop、Illustrator、InDesign、QuarkXpressなど)を活用する力が求められることが多い。

・参考情報

関連団体 社団法人 日本グラフィックデザイナー協会 http://www.jagda.org

NPO法人 日本タイポグラフィ協会 http://www.typo.or.jp

日本図書設計家協会 http://www.tosho-sekkei.gr.jp

NPO法人 東京タイプディレクターズクラブ http://tdctokyo.org/jpn/

広告デザイナーの職業について

・どんな職業か

広告会社やクリエイティブ・エージェンシーにおいて、テレビCMやポスター、新聞や雑誌、Webなど様々な媒体の広告のデザインを行う。広告デザインの一部として、新商品や製品パッケージのデザインを行うこともある。 仕事の流れとしては、まず、広告主と打合せをし、意図や要望などを把握する。これをもとに大まかなスケッチを描く。広告の文章であるコピー等とともにラフ案をまとめ、広告主に提案する。提案が承認されたら、イラストや写真を外部に発注するなどして作成し、コピーと合わせて広告を完成させる。 広告の仕事はチームで担当することが多い。広告デザイナーはコピーライターやCMの企画や内容を考えるCMプランナーなどで構成されるチームに配属され、チームリーダーである広告ディレクターやデザイナーのまとめ役であるアートディレクターの指示に基づいて仕事を進める。 通常、広告デザイナーは数年の経験を経てアートディレクターに昇進するが、制作会社のデザイナーへの指示を行うため、広告会社によっては入社直後の広告デザイナーが、アートディレクターという肩書きを名乗ることもある。 広告デザインの分野においては、グラフィックデザインと動画のデザインの境目がなくなりつつある。Webデザインなどの領域に幅を広げるデザイナーも増えている。今後も広告デザイナーの仕事の領域は広がっていくと考えられる。

・広告デザイナーに就くには

広告デザイナーに就くために必要な資格は特にない。新卒で広告デザイナーとして就職するには、通常、就職後の職種があらかじめ限定される職種別採用になる。 新卒者が日本の中堅以上の広告会社に広告デザイナーとして採用されるには、実質的に4年制の美術系大学を卒業することが条件となる。外資系広告会社の場合は中途採用が中心で、新卒者の採用は少ない。 美術系専門学校を卒業した後、広告などの制作を行う会社に入り、デザイン業務の経験を積んで広告会社にデザイナーとして転職する例もある。 日本の広告会社は3,000社ほどあるが、上位160社程度で売上のシェア約75%を占めている。大手の広告会社と中小の広告会社では規模の面で大きな格差があり、広告会社の規模によって、採用条件や就職難易度も大きく異なる。 採用に際しては、デザインができることに加えて、広告に関する知識やコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力が備わっていることが求められる。ほとんどのデザイン作業はパソコンを使って行われるので、パソコンでデザインをするスキルも必要とされる。 広告デザイナーとしての経験を積み、アートディレクターや広告ディレクターへ昇進する。コピーライティングを勉強しCMプランナーなどへ転身する例もある。また、独立して自分のデザイン事務所を持つ人もいる。

・労働条件の特徴

広告会社やクリエイティブ・エージェンシーは、企業の数が多い都市圏に集中している。特に、テレビなどのマスメディアに広告を出すクライアント企業は本社機能が東京に集中しているため、広告デザインの仕事は東京が中心となる。 日本の広告会社では、広告デザイナーは9割程度が正社員として就業している。一方、外資系の広告会社では有期の契約社員となることも多い。 勤務時間はコアタイムが設定されているフレックス制が主流になっている。広告デザイナーの業務は忙しく、残業時間は他の職種に比べても多いが、所属する会社によっては残業時間の上限を設けるところもある。 給与については基本的には月給制であり、会社独自の評価システムによる業績評価が賞与に反映される。一般職とは異なる評価システムを採用している企業が多い。給与水準は、他業種と比較すると高い。 現在、広告会社に勤務する約6万人のうち3割前後が広告デザイナーやアートディレクターの職に就いていると推定される。広告デザイナーの男女比はほぼ半々である。

・参考情報

関連団体 社団法人 日本広告業協会 http://www.jaaa.ne.jp

社団法人 日本グラフィックデザイナー協会 http://www.jagda.org

一般事務員の職業について

・どんな職業か

特定の分野の事務を専門的に行うものではなく、様々な事務の仕事を全般的に行う。 規則、業務手順書、手続き、慣習的な方法などによって定められた、定型的な事務作業に従事する。事務作業は多種多様であるが、文書の作成や整理、発注伝票や受注伝票の作成と管理、各種台帳の管理、生産や売上など営業資料の作成や管理、社内の各種届出書類の管理など、書いたり、計算したり、点検したりする仕事が中心である。文書の作成や集計などではパソコンを使用し、また、コピー機やFAXを使用するなど、事務機器やOA機器に接することが多い。 また、郵便物の発送、物品の受取り、電話の取次ぎ、事務用品など消耗品の補充と注文等々細々とした仕事を受け持ち、来客への対応やお茶だしなどをすることもある。

・一般事務員に就くには

高校や短大などを卒業し、企業や団体などに採用され、様々な部署に配属されて事務作業を行う。 中途採用については、人材派遣会社などに入社し、受託先の企業や団体などに派遣されて仕事をすることが多い。 補助的な業務から始めて経験を積み、思考判断や創意工夫を行いながら事務処理能力を向上させる。事務処理の管理監督的な職に就く場合や、司法書士や行政書士などの資格を得てコンサルタント的な業務に転向する場合もある。 事務処理の高度化、専門化により、コンピュータ処理能力、文書作成能力、簿記、英会話など仕事に関連のある技能や資格が求められている。そのため、各種講習への参加や通信教育の受講などスキルアップのための自己啓発が必要となる。

・労働条件の特徴

民間企業、官公庁、各種団体など事業を営むところは必ず事務の仕事が発生するため、職場は全国に渡っている。 就業者の男女比では女性の割合が高い。多様な人材確保や事務の合理化のため、契約社員や派遣社員の占める割合が年々高まっている。 就業時間は午前9時から午後5時までで、週休二日制がほとんどである。月末など、伝票や文書の締め切りが集中する時期には、残業をすることもある。 労働需要は安定しているといえる。単純な事務作業に関しては、正社員の割合が減り、派遣社員、契約社員、パートタイマーなどの割合が増えつつある。

・参考情報

関連資格 ビジネス・キャリア検定 コンピュータサービス技能評価試験

生命保険外務員の職業について

・どんな職業か

一般家庭や企業を訪問して、生命保険契約の募集・アフターサービスを行う。 万が一、病気や事故、災害にあったときに、経済的な助けとなるのが生命保険で、家庭の生活保障、子供の教育費や結婚資金、老後の生活資金の確保など、生命保険商品には目的に応じた様々なタイプがある。 お客のライフサイクルに応じて必要な保険金額を見積もり、お客のニーズに最適のプランを勧める。お客が加入を決めた場合には、必要な事項を確認しながら申込書を作成し、署名・捺印をもらい、契約する。企業に対しては、企業年金やグループ保険など団体保険の設計・販売を行う。 生命保険は長期間にわたる契約であるため、お客とのつきあいも長いものになる。そのため、結婚、子どもの誕生などお客のライフサイクルの変化に応じて、新しい保険を勧める。また、保険料の支払いが困難になったり、契約者や受取人を変更したいなど、お客の生活状況が変化した場合には、適切なアドバイスや解決の手伝いをするというアフターサービスも大切である。

・生命保険外務員に就くには

生命保険の営業活動を行うには、生命保険業界共通体系の研修を受け、一般課程試験に合格して、財務局に登録する必要がある。 一般課程試験合格後、業界共通のより専門的かつ段階的な教育を受け、ライフ・コンサルタント、シニア・ライフ・コンサルタント、トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)といった上級の称号を得ることができる。 商品知識(基本用語・約款・事務手続など)、税務知識、公的年金・健康保険等の社会保険に関する知識、福利厚生制度に関する知識などが必要となる。また、生命保険の営業には、自主性、社交性、粘り強さ、積極性なども求められる。

・労働条件の特徴

生命保険会社に所属し、最寄りの地方支部や営業所を拠点に営業活動を行う。 約9割が女性であり、最近では若い女性が増えている。 給与体系は、固定給の他に、販売活動の実績に応じた歩合給が支払われるのが一般的である。ベテランになると、契約数を伸ばして高収入を得る人もいる。 事務職員とは異なり、一日の勤務時間のほとんどを家庭や企業の訪問活動に使うことになる。

・参考情報

関連団体 社団法人 生命保険協会 http://www.seiho.or.jp

財団法人 生命保険文化センター http://www.jili.or.jp

全国生命保険労働組合連合会 http://www.liu.or.jp

関連資格 生命保険営業職員一般課程試験 ライフ・コンサルタント

デパート外商部員の職業について

・どんな職業か

デパートから直接顧客のところに出向いて注文を取ったり、商品を販売したりする。 積極的に外回りをして新規の客を開拓し、得意先を訪問し販売すると共に、その代金の回収を行う。固定客が来店したときには、買い物相談や店内案内をする。 外商には法人外商と個人外商がある。法人外商では、会社関係の中元、歳暮の贈答品、記念品、景品等の販促用品、事務用品、ユニフォーム、事務所の内装・備品等の大口注文が中心である。大企業の総務部、購買部の担当者や、中小企業の経営者を訪問して、注文を取る。大口の取引になるため、企業がどの時期にどんなものを必要とするかといった情報を、きちんとつかんだ上で営業を行う。客のニーズを先取りして、商品の提案も行う。 個人外商の場合は、高級呉服、宝石、貴金属、美術、工芸品などの高級品やファッション商品、生活雑貨等を扱うことが多く、客の趣味や職業、家族構成など細かい点まで把握してその個人や家庭に合った商品を紹介する。新製品の見本やパンフレットでの宣伝も欠かせない。セール等の催し物があるときは、案内状を発送して来店してもらえるように気を配る。得意先からの注文は、直接自宅まで届けることが多い。

・デパート外商部員に就くには

入社後に短期の教育訓練を行って配置される場合もあるが、店舗の販売員として経験を積んでから外商部員になる場合が多い。取引の方法が異なることもあり、法人外商と個人外商との間の異動は少ない。 固定顧客の注文通りに販売する比較的易しい仕事から、情報収集をしながら顧客の要望を先取りした生活提案、企画提案などを行い、新規顧客を開拓して販売する高度な仕事までがある。はじめは先輩社員について顧客を訪問し、販売活動をしながら教育、訓練を受け、次第に高度な仕事を行うようになる。 商品を売り込むと同時に、自分を売り込んで信頼されることが必要である。情報収集力、企画力、説得力が求められる。

・労働条件の特徴

デパートは大都市や地方の中核都市に立地している。特に大手は大都市に偏在するため、就業者の約半数は東京、大阪、名古屋、京都、横浜、神戸の6大都市に勤務している。 就業者のおよそ80%は男性であるが、最近は女性社員の進出が増えている。デパートの全従業員に占める割合は5~20%程度である。 月給制が多いが、今後は一部歩合給を含む能力給が増えていくと考えられている。 顧客の都合に合わせて活動するため、店頭販売員に比べて労働時間が不規則になりがちで、フレックスタイム制をとっているところも増えている。 外商部員はお得意先の企業等が営業している平日に働き、日曜・祝日に休日をとる。個人外商の場合は、客の都合により日曜や祝日に訪問することがある。 業態間の競争が激しくなっており、オリジナル商品の企画など、従来の実績や方法に頼ることない新しい提案型外商が求められていて、そのため高度な専門知識やチームによる組織的な活動が増えてきている。個人外商においては商品知識やきめの細かさの点から女性の活躍が期待されている。

・参考情報

関連団体 日本百貨店協会 http://www.depart.or.jp

関連資格 販売士(小売商検定)

家具工の職業について

・どんな職業か

木製家具を製造する職業であり、木材の切断、加工、組立、塗装、金具の取り付けなどの諸工程の作業を行う。 木製家具は、大きく分けて箱物家具類と脚物家具類、その他に分けられる。箱物類には、たんす、食器棚、書棚などあり、脚物類には椅子、机、応接セット、ダイニングセットなどがある。その他にもベッド、小物など多種多様な製品がある。それらの仕事の内容や使用する機械、工具、工作方法などは多少異なっているが、基本的な作業は共通しており、主に木工機械作業、組立作業、仕上げ作業、塗装作業、イス張り作業である。 作業の流れは、まず機械を使って木を切断し、表面を削ったり穴をあけたり磨いたりする木工機械作業を行う。各部品ができたら、接着剤や木ネジで家具の形に組み立てる。その後、小さな部分や念入りな仕上げを要する部分などは、ヤスリなどを使って手作業で仕上げる。さらに製品の種類によって、接着プレス作業や張り工作作業などが加わる。 塗装作業では、着色したり表面にツヤを出す吹き付けをして、家具に化粧をほどこす。イス張り作業では、できあがったイスの骨組みに、バネやクッション材を取りつけた後、革などを張り、イスの座、背、ひじの部分を形づくって完成させる。 家具工という呼び方から、ノミ、カンナ、ノコギリなどの手工具を使って、最初の木材から完成品までを一品生産する手工業的な職業をイメージすることが多いが、現在は、中規模以上のメーカーでは、機械化・分業化が進んでいる。 しかし、機械ではできない作業など人の手によるところがあり、一つ一つの仕事に熟練を要求される部分が多い。

・家具工に就くには

入職にあたって、特別な条件や制限はなく、新規学卒者の場合は学校や公共職業安定所の紹介という経路をとる。公共職業安定所からの紹介や公共職業訓練施設の家具木工課程の修了者が入職するほか、求人広告や縁故によるケースもある。 適性としては、指先、手腕の器用さ、形態知覚が優れていることが望ましい。また、ある程度パソコンなどの知識があれば、就職に有利である。 家具工には、主材料である木材の性質や刃物、機械、工具、塗料、接着剤、イス張り布、工作法、家具の構造などについての知識が必要である。また、必要な技能としては、刃物の研磨と調整、加工段取り、機械工具の操作、キズの補修などがあるが、こうした技能は経験を積むことにより習得する。 関連する資格として、厚生労働省が定めた技能検定の「家具製作技能士」があり、資格を取得すると技術の証明として評価される。

・労働条件の特徴

家具工の大部分は家具製造メーカーで生産に従事しており、地域別に見ると、家具の特産地といわれる福岡、静岡、広島、群馬、岐阜、東京、新潟、北海道、徳島などに集中している。 就業者は中高年齢者が多くなっているが、大手企業では電子制御による工程の自動化が進んでいるため、若年の専門技能者が求められている。 家具工の作業は、刃物で木材を切断、切削、研磨する作業が多いため、かつては刃物によるけがの危険があり、また木粉じんや塗料の臭気が問題とされていた。しかし現在では、直接刃物が手に触れないように機械や工具が改善され、安全装置の普及で危険度は大幅に低下している。また、木材の切断・加工など騒音はするが、除じん装置の普及で、木粉じんや塗料かすがほとんど取り除かれるようになり、職場環境は著しく改善されている。

・参考情報

関連団体 社団法人 日本家具産業振興会 http://idafij.or.jp

関連資格 家具製作技能士

建具工の職業について

・どんな職業か

建具工は、戸・襖・障子などの木製建具(たてぐ)を製作する。 現在、建築物の外部に面する開口部には金属製ドアなどの建具が使用される場合が多いが、内装に関しては木製の建具が使用される場合が多い。一般住宅においては、各部屋の入口の戸、押入、クローゼット等の戸、襖、障子、等があり生活には欠かせないものとなっている。 建具は、戸や扉など単体のみを作るだけでなく開口部に取り付けて、はじめて役目を果たすものが多い。したがって建具工の作業としては、製造作業と、取り付け作業に大きく分けられる。 製造作業の流れは、まず機械を使って木材を切断し、表面を削ったり穴を開けたりする木工機械作業を行なう。必要に応じてノミ、カンナ等の手工具で加工をし、各部品が出来たら、接着剤等を併用して建具のかたちに組立てる。表面は、木材の生地のままの場合や、塗装による仕上げ、化粧合板による仕上げ等がある。塗装は建具製造事業所で行なう場合と、現場にて塗装業者が行なう場合がある。 取り付け作業は、現場において必要に応じ、電動工具やノミ、カンナ等を使って切削等を行い建具の開閉形式によって様々な金物等を取り付けながら行なう。

・建具工に就くには

入職に当たって、特別な条件や制限はなく、新規学卒者の場合は学校や公共職業安定所の紹介という経路をとる。求人広告や縁故によるケースも多い。 適性としては、指先、手腕の器用さ形態知覚が優れていることが望ましい。又、建築に関する一般的な知識があれば有利である。 建具工には主材料である木材の性質や刃物、機械、工具、塗料、接着剤、工作法、建築に関する知識等が必要である。また、必要な技能としては、刃物の研磨と調整、加工段取り、機械工具の操作、傷の補修などがあるがこうした技能は経験を積むことにより習得する。 関連する資格として厚生労働省が定めた技能検定の「木製建具技能士」があり、資格を取得すると技術の証明として評価される。

・労働条件の特徴

建具製造事業所は全国各地にあるが比較的規模の小さな事業所が多い。また、製造に特化してある程度大きな規模の事業所もあり、同業者が集まって産地を形成しているところもある。 就業者は近年、中高年齢者が多くなっており、若手の入職が望まれている。 業務は建築動向などにより繁閑があり、残業や休日出勤することもある。 建具工の作業は、刃物で木材を切断、切削、研磨する作業が多いため、かつては刃物によるけがの危険があり、また木粉じん等が問題とされていた。しかし現在では、直接刃物が手に触れないように機械や工具が改善され、危険度はある程度低下している。木材の切断や加工において騒音はするが、除じん装置の普及で木粉じんが大幅に取り除かれるようになり、職場環境は改善されつつある。

・参考情報

関連団体 全国建具組合連合会 http://www.zenkokutategu.com

関連資格 家具製作技能士 建具製作技能士 木材加工用機械作業主任者

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