・どんな職業か
カット、パーマ、カラーリング(毛染め)などの技術を使い、美しいヘアファッションを創り上げる。 さらに髪だけでなく、マニキュアやメイクから着付けまで、全身の美しさを追求するのも美容師の仕事である。お客の要求に最大限こたえ、それに自分の技術と美的センスを加味して、初めて評価を得ることができる。 まず、お客とコミュニケーションをとりながら髪の状態を見る。そしてお客の要望をしっかりと聞き、ヘアスタイルを決めてから作業に入る。馴染みのお客ならカルテを見て検討する。カットには、シザース(はさみ)、レザー(かみそり)、コーム(くし)を使用する。この段階でデザインの大半が決まってしまうので気が抜けない。 カット、シャンプー、ドライヤーという具合に、スタッフで分担することもあり、チームワークも大切となる。要望によってパーマ、カラーリングなどを行う。決まった髪形を作る技術が優れているだけでは十分でなく、お客の好みに合わせて満足させることが必要である。自分の創造性やセンスをプラスしながら、お客の要望にこたえる。
・美容師に就くには
美容師になるには、厚生労働大臣指定の美容師養成校(昼間課程2年、夜間課程2年、通信課程3年)で美容知識・技術を学び、卒業と同時に、美容師国家試験を受ける。 新人の間はシャンプーを担当し、経験を積むにつれて、パーマ、ヘアカラーリング、カットをまかされるようになる。 美容師を3年以上経験し、都道府県知事が指定する講習を受けると「管理美容師」の資格が取得できる。「管理美容師」は2人以上美容師がいる美容室に置くことが義務付けられており、将来独立開業する際に役立つ資格である。 美容師には美的センスや技術はもちろん、社交性や奉仕の精神、機敏さも必要である。一日中立ち作業なので、体力も必要である。 若者に人気の職業であるが、努力や忍耐が必要な仕事でもある。 また、美容室や美容師により人気の差が大きいのが特徴でもある。 努力と才能、センス次第で伸びる仕事とも言え、将来は有名になり、自分の店を持つのが夢であるという人もいる。
・労働条件の特徴
最初は、美容室に勤務するのが一般的である。結婚式場の美容室では、かつらの調整、着付け、化粧などが中心になる。テレビ局や雑誌、広告の撮影現場では、出演者やモデルのメイクアップやヘアメイクをする「メーク」という仕事がある。
勤務時間はどの店も1日8~9時間程度で、成人式や年末は忙しく、深夜まで仕事をすることもある。定休日は火曜日のところが多い。
若者に人気のある職業である一方、仕事に就いてからも、深夜までカット等の練習をして、技術を高めていかなければならない等、厳しい面もある。一見、派手に見える仕事も実は地味な仕事の連続であり、シャンプーで手が荒れ、一日中の立ち仕事と、生半可な気持ちでは出来ない仕事でもある。
美容師の専門学校を卒業し、資格を取れば、就職率は非常に高く、雇用や収入は安定している職業である。
・参考情報
関連資格 美容師国家試験 管理美容師